自分でさぱりメント

大切な思い☆手紙に託して

きりん@向日葵

「秋の夜長は、疎遠になっている恩師に手紙を書いてみようかな♪」
というメールを送ってくださったのは、HN.文(ふみ)さん。

今回は、文さんのお便りを元に、お話を作っていきます♪


今夜もダンナの帰りは遅くなるのだと言う。

ブツブツ言いながら料理にラップをかけていると、実家の母から電話
がかかってきた。


「あんた宛に、小学校の同窓会の招待状がきてるわよ。どうする?
そっちに送ろうか?」


小学校・・・もう、卒業して15年が経つんだなぁ。

私はいじめられっこだったから、いい思い出なんてほとんどないはず
なのだけれど、今となっては懐かしい。

母の話によれば、同窓会には5~6年の担任だった『リカちゃん先生』
も来るらしい。

日本人とフランス人のハーフ・・・リカちゃん人形と同じだからそう
呼ばれていた、先生。

給食が食べられなかった私に「無理しなくていいよ。」って言ってく
れた、唯一の先生。

「お母さん!あたし、同窓会には行かない。でも、手紙を書きたい人
がいるの。リカちゃん先生の連絡先、分かる?」

住所は、当時のままだった。

「私の住所はずっと変わらないわ・・・私は、いつまでも同じところ
にいる。死ぬまで、いる。だから、いつでも連絡をちょうだい。何十年
経ってからでも、待ってるわ。」

・・・リカちゃん先生が卒業式の日に言ってくれたあの言葉は、本当
だったんだ。

電話を切るなり、私はすぐに机に向かった。

『リカちゃん先生、たいへんご無沙汰しております。』

中学のこと、高校のこと、大学のこと、仕事のこと、結婚のこと・・・
書きたいことが、いっぱいある。

『・・・リカちゃん先生、あなたは私にとって、永遠の憧れです。あり
がとうございました。』

最後は、そう結んだ。

でも・・・何かが、足りない。

リカちゃん先生が、最後の最後まで私のことを心配そうに見つめていた
のをふと思い出した。

そうだ。何よりも伝えたいこと・・・。

『私は今、とても元気です。毎日幸せに暮らしています。』

便箋を丁寧に3つ折りにし、封筒にしまい、糊付けをした。

明日が待ちきれなくて、私はコンビニまで切手を買いに家を出た。

今すぐに、思いをポストに閉じ込めたくて。

月明かりの下、自転車をゆったりと滑らせていく。

このまま、15年前のあの教室まで飛んでいけそうな・・・不思議な
心地がした。




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