自分でさぱりメント

体も心もぽかぽか☆かりんはちみつ

きりん@向日葵

「もともと喘息持ちの私にとって秋から冬にかけての時期は最も
辛い季節・・・でも、実家から毎年送ってきてくれるかりんの
はちみつ漬けに、体も心も温められています♪」
というメールを送って下さったのは、HN『かりん』さん。

今回は『かりん』さんのお便りを元に、お話を作っていきます♪


ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ・・・。

満員電車の中で咳き込む私を、周囲の人たちはなんて冷ややかな目で
見るんだろう。

耳障りだとでも思っているんだろうか。
風邪をうつすなとでも言いたいんだろうか。

「安心して!これは喘息で、誰にもうつらない病気なのよ!!」

と大声で叫んでやりたくなる瞬間・・・。
幼い頃から苦しんできた持病は、今ではむしろ精神的に私を痛めつける
ようになっていた。

年頃の娘が人前でこんなにも大げさに咳をしたり、「ゼィゼィ・ヒュー
ヒュー」という呼吸音をさせなくてはいけないなんて、かなり、酷な
コトなのよ!

・・・いけない、いけない。
体調が優れない時は、ついついマイナス志向になりがちだ。

家に帰ったら、あれを飲もう。
そうすれば、きっと、咳も気持ちも落ち着いて、リラックスできる。

玄関の鍵を開け、明かりを付けるとすぐにキッチンの戸棚を開ける。
金色のフタがされたぽってりとした透明の瓶。

中には、黄色い果実がとろりとした液体に浸かっている。

・・・毎年秋になると、必ず実家から送られてくる「かりんのはちみつ
漬け」だ。

カップにたっぷりこのハチミツを入れ、レモン汁を加え、お湯を注ぐ。

チャラリン、チャラリン、チャラリン♪
取っ手の先にビー玉のような透き通った赤色の球が付いているティー
スプーンで、そっとかき混ぜる。

ふぅー、ふぅー・・・念入りに冷ましながら、一口。
フルーティーな香りととろけるような甘みが、口の中いっぱいに広がる。

息苦しかった気管支が、だんだんと通っていくのを感じる。


「おいしい・・・。」


久々に、実家に電話をしてみよう。
かりんのはちみつ漬けにいつも助けられている話を、今日こそちゃんと
しよう。


自然に手が電話の受話器に伸びていく。


「・・・あ、もしもし。お母さん?私。」


受話器の向こうのお母さんの声は、少しびっくりしているようだった。
何かあったの?なんて言いたげな調子だ。


「あのね。私、元気でやってるよ。今、かりんのはちみつ漬けをホット
レモンに入れて飲んでるところなの。」


これまでずっと、言えなかった大切なこと。
今ならきっと、伝えられる。


「あのね。お母さん。・・・いつも、ありがとう。」




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