自分でさぱりメント

思い出ぽろぽろ☆お歳暮選び

きりん@向日葵

「先日、妻と一緒にお歳暮選びに行ってきました。はじめはあまり
気乗りじゃなかったものの、相手のことを思いながら贈り物を選ぶの
って案外楽しいんですよね。良い気分転換になりました。」

というメールを送って下さったのは、HN『マーボー』さん。
今回は『マーボー』さんのお便りを元に、お話を作っていきます♪

「うっわー、混んでるなぁ。オレ、外で待ってたらダメ?」

「何言ってんの!二人で選ぶことに意義があるんでしょうが!!」

・・・妻の佐和は、たまによく分からないことを言う。
二人で選んだかどうかなんて、先方にはどうやったって分からないもの
じゃないのか?

ぶっちゃけ、カタログやインターネットやらで注文したものを送りつけ
たって、向こうには知ったこっちゃないじゃないか・・・。

ブツブツと(心の中で)ボヤいていると、突然目の前に佐和の顔が
ぬっと出てきた。

「何浮かない顔してんの?ちゃんと付いてきてよ!」

・・・ハイハイ。

「○○の特製ハムはいかがですかぁ?お一つどうぞ。」

佐和の後に付いて歩いていると、エプロン姿のなかなか可愛いお姉さん
が、ハムを刺したつまようじをオレに差し出してきた。

え?くれるの?ラッキー♪

「うん・・・うまいね!コレ。」

佐和がこちらを振り返る。

「ちょっと、何食べてんのよ。ハムはお中元であげたじゃない!」

ハイ、スミマセン。


「うちの実家とマーくんの実家は、明太子と数の子の詰め合わせで
決まり、っと。あとは・・・コウタさんのトコ、どうしよっか?」

「え、兄貴んトコ?・・・いいよ、別に。」

「ダメよ!いつもお世話になってるじゃない!特に今年は、私達が
大喧嘩をして離婚騒ぎにまでなった時、親身に相談に乗ってくれた
でしょう?」

「・・・うん。」

子どもの頃から、兄貴が苦手だ。
勉強でもスポーツでもゲームでもケンカでも、何一つとったって、
兄貴には勝てない。
ずっと、ずっと、コンプレックスだった。

「ね、コウタさんの好きなモノって、なぁに?」

佐和がオレの顔を覗きこんで聞いてくる。

「・・・さぁ?」

心ここに有らずの状態で答えるオレ。

「もう!・・・ね、いっそのこと実家と同じものにしちゃおうか?」

マイペースに話す佐和の調子に、思わず乗せられてしまう。

「ダメだよ。兄貴は昔から卵系のものは全て体が受け付けないんだ。」

そこまで言いかけて、ふと思い出した。
子どもの頃の、兄貴の無邪気な姿を・・・。

「そうそう!兄貴、アレルギーだから卵系はダメだってのに、食いたい
って聞かなくてさ~・・・仕方なく一口だけ食わせてやるんだけど、
見る見るうちに発疹が出てきてさ~・・・。」

「へぇ~、意外。コウタさんっていつも冷静なイメージあるけど、
子どもの頃はそんなコトもあったんだ!?」

ほんの少しの沈黙の後、佐和はにんまりとして言った。

「マーくん、本当はコウタさんのこと、好きなんだね。」

・・・スキナンダネ・・・
そう、なのかもしれない。
どうして今まで、気づかなかったんだろう。
・・・こんな当たり前のことに。

「そうだ!兄貴、キムチが好きなんだ。子どもの頃から親に怒られ
ながらもよく食べてたよ。」

佐和は、なぜだかとても嬉しそうにオレの顔を見ている。

二人で選ぶことに意義がある・・・
さっき佐和が言っていたことの意味が、少しだけ分かった気がした。




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