小さな先生たち
涙を流すまで…?
優月
その女の子にとって、その日はとても良い日でした。
いつもは叱られることが多いのですが、
今日はがんばって、とてもお利口さんにしていたのです。
しかし夜になって、
女の子がベッドで泣きじゃくっているのを母親は見つけました。
「どうしたの?どこか具合でも悪いの?」
女の子は涙で目をはらしながらこう聞きました。
「今日、わたし、良い子じゃなかった?」
この言葉は、お母さんの胸にグサリと突き刺さりました。
いつもは何かあると、すぐに女の子を懲らしめていました。
今日は、娘が一生懸命お行儀良くしようとしているのに気づきながら、
暖かい褒め言葉を一言もかけてあげなかったのです。
☆ ☆ ☆
人は誰しも、心からの褒め言葉を必要としています。
誠実な褒め言葉を掛けてもらうと、一日明るく過ごすことができます。
努力したかいがあった、と感じるものです。
実はわたしもコーチとして、この母親と似た経験があります。
忙しい時、必死に何かを行なっている時、
周りの小さなきらめきが見えなくなることがあり、大変後悔します。
まだ一人で任されたばかりでいっぱいいっぱいだったころ、
泳ぎの指示以外の言葉をかけてあげられなかった子がいました。
性格的にもおとなしく、自分から話しかけるタイプではなかったその子は、
よくしゃべる元気な子たちとしかしゃべらなかったわたしに、
授業の終わりにこう声をかけてくれました。
「コーチ、今日もたくさん教えてもらって、ありがとうございました」
一生懸命笑うその子を見て、わたしは胸が張り裂けそうになりました。
目立たなくても、口下手でも、見失ってはいけない輝きがあることを、
大変つらい方法で学びました。
わたしはそれから、たった一言でもいい
その輝きを磨いてあげられるような言葉を贈りたい、と決意しました。
優しい褒め言葉をかけること。
これは、相手が涙を流すまで待つ必要はありませんもんね。
では、あなたの大切な人に『今日』、
一つの褒め言葉を贈りませんか。。。?
優月
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