小さな先生たち
“友達”? それとも“友”たち?
優月
スイミングには、似たよ~な名前の子がたくさんいます。
友樹と書いて「ともき」くんと「ゆうき」くん、
同じ班にいる、だいちくん・たいちくん・たいきくん・たいしくん、
りゅうたろうくんとゆうたろうくん、あやちゃんとあやこちゃん、
挙げていくときりがありません。
何か言いたいのかというと、それだけ顔と名前を一致させるのが
大変だということです。
ですがわたしは、(自分で言うのは偉そうですが)
顔と名前を覚えるのは得意です。
無料の短期コース(←初めての子が集まる)で来る子たちも、
大体初日に全部覚えることができます。
双子や三つ子もいますが、見分けがつきます。
というわけで自信があったんですが、
ある時こんなことがありました。
有給を取ったコーチの代行で授業を行なった時のこと。
わたしも初めての班だったので、
点呼を取りながら顔と名前を覚えようとしていました。
そして子供たちにもわたしの名前を覚えてもらおうとして、
「コーチの名前は・・・・」と言いかけると、
「優月コーチでしょ!」という声が。
あれ?と思いましたが、よく思い出してみると、
その子は、以前他の時間帯のクラスで一度だけ、
一緒に練習したことがあったんです。
名前を覚えてもらえなかったり、間違われたりするのは
けっこうがっかりするものですよね。
それで、わたしは日頃から努力していた分野でした。
なのに覚えていなかったことは、ちょっとショックでした。
でもその子は、なぜわたしの名前を覚えてくれていたんでしょうか?
よく話をしてみると、その子は人を集団としては見ない子でした。
「コーチたち」とか「スイミングのお友達」として一まとめにせず、
「○○コーチ」や「○○くん」として覚えていたんです。
「○○コーチは、前こんなことをしてくれた!」
「○○くんは、こういうところが面白い!」というふうに。
一対複数の授業では、つい相手を一まとめにして見てしまいがちです。
「この班の子たちはかわいい」と思っても、
どの子がどんなふうにかわいかったのか、がんばったのか、
それを忘れてしまうことがあります。
わたしのことも一人の友として覚えてくれたその子と同じく、
わたしも、一人一人の顔をもっと見ようと思いました。
“友達”とは、ちょっと人数が減ってもいい集団ではなく、
“かけがえのない大切な友”たちだと思うからです。
優月
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