小さな先生たち

拾い上げて、その小さな幸せを

優月

 職場まで自転車で10分。

 わたしはいつも自転車で出勤します。
 春らしい暖かさが心地よく包んでくれるような、
 のんびりとした道を抜けて行きます。

 でも先日、あまりにもあったかくて気持ちいい日があったので、
 少し早めに出発、歩いていくことにしました。


 その日は午後からの仕事。
 ちょうど通学路と重なっている道でもあり、
 下校途中の子供たちに多数出会います。

 「あ!コーチだっ!」と気づいて駆け寄ってくれる子もいて、
 ちょっと嬉しくなったりします。


 歩きながらふと見上げると、
 走りながら何やらはしゃいでいる一団がいました。
 鬼ごっこのようなことをしているようです。

 「あ・・・!」

 と思った瞬間、一人の女の子が転んでしまいました。
 痛そうだな~と思いながら、わたしも思わず駆け寄ります。
 近づいていく間も、その子は相変わらず倒れたまま。
 動けないのかな~と思いながら近くまで来ると・・・。


 倒れたまま、じーっと何かを見つめるその子。
 
 「大丈夫?」と声をかけるわたしに目を向けず、一言。


 「このお花、かわいい・・・♪」


 転んだ先にあった白い小さな花は、
 女の子を慰め、ほら笑って♪と励ましているようで、 
 二人ともその嬉しい出会いをゆっくり楽しんでいるようでした。

 転ばなければ起こり得なかった出会い。
 すぐに起き上がってしまったら聞こえなかったメッセージ。
 その小さな幸せは、その女の子だからこそ見つけられたのでしょう。


 普段気がつかなくても、幸せは周りにたくさんあります。
 見落としてしまいそうな小さな幸せも、
 拾い上げて集めてみると、本当に力を与えてくれます。

 次歩く時、わたしも自分だけのそんな幸せを、
 ぜひ見つけてみたいと思いました。 


                              優月




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