小さな先生たち
人を動かす、愛
優月
「ぼくは暴力だけはしなかったのに!・・・なのに!
あの子にも同じ思いを味あわせてやる!」
少し前、ある男の子がそう言って聞かなくなりました。
ふざけた中で振るわれた暴力でしたが、かなり痛かったようで、
その子は相手の男の子に飛びかかろうとします。
わたしはその子を抑えながら、抱きしめながら、
なんとか仕返しすることを思いとどまらせようとしました。
その子は普段、暴力だけは振るわないようにしていました。
それなのに傷つけられてしまったら、
同じように傷つけなければいけない、
いくら謝られても絶対に許さない、
そういう危険な考えを持っていたからです。
復讐を決意するこの子を、どう諭せばいいのでしょうか?
もし自分が間違いを犯した時、許してもらえなかったら・・・?
人を許さない人を周りはどう見るだろうか・・・?
我慢することのほうが難しく、そのほうが強いことでは・・・?
いろんな話をしました。
でもどうしても、心を動かすことができませんでした。
その子は、許してしまえば自分だけ苦しんで
不公平になると考えて譲らなかったんです。
殴らせるか、お金を払え。でも絶対に許さない、と。
許すことは、確かに許す側が辛抱することを意味します。
非常に力がいることでしょう。
でもそれを許せる人にならなければ、
この子はこれからどんな人になっていくんでしょうか。
わたしは悩みながらも、
その子がどれほどのものをもらっているかを考えさせました。
自分のお金は全部お小遣いとしてもらったもの。
着ている服も、持っているおもちゃも、命さえも。
怒られることがあっても何度も許してもらってもいる。
それだけ君のことを愛しているお母さんが、
人を許すことができない君を見て、どう思うだろう。
お母さんの気持ちを考えると、許すべきじゃないだろうか。
はじめは大声で反論していたその子はだんだん声が小さくなり、
やがて黙り、小さく一言、許す。と言ってくれました。
その時まで知らなかったんですが、その子のうちは母子家庭で、
お母さんはかけがえのない存在だったんです。
自分の気持ちとしては許せないが、お母さんのために許す。
お母さんへの愛情によって強い憎しみを覆うことができました。
感情を制して人を動かす。
母子の間の愛にはそれほどの力があるんだ、と思いました。
その気持ちを、これからも忘れないでほしいと思います。
優月
(優月)ソウルメイト ||次へ→
▲ページのトップに戻る
直感力や記憶力、集中力がアップする奇跡の思考ツール
|

マインドマップの書き方
毎朝1分★天才のヒント |
