心の奥底から湧き上がってきた言葉で、自分を見つめよう

馬鹿な男ほど愛おしい

ひまわりちほりん

そして、大失恋を重ねて重ねたあげく、私は泣く泣く諦めた。
「もう、この世には私を無条件に愛してくれる親のような存在はいないのだ」

ついに私は「永遠の保護者探し」を断念したのだった。
ああ、長い道のりだった。



自分を甘やかして保護してくれる絶対的な存在などいない。

そのことを思い知ってからようやく、私は自分のことは自分で引き受けなければならないことを納得した。


信じられない事だけど、それまで自分の人生を自分で引き受けていなかったのだ。
だから平気で結婚後も恋愛していたし、子供ができないのは仕事のせいだと逃げていたし、親は自分を大事にしないで人生の邪魔ばかりすると腹を立てていた。
(中略)

失恋したせいで、自分にはもう「保護者」はいないことを自覚し、自分の人生は自分でどうにかしようと自分の孤独を引き受けたのだ。

私が自分の孤独を自分で引き受けたのは三十もとうに過ぎてからである。
まったく情けない。



田口ランディ著「馬鹿な男ほど愛おしい」(晶文社)より。
cover




娘の幼稚園のお迎えにいくのが、ちょっと憂うつ。


だって、またあのお母さんに会うかもしれない。

「また傷つけられるから、近寄りたくない」
そう思う。



でも、待って。
あのお母さんが、私を傷つけたの?

わざと、私を傷つけたの?


そうじゃない。
ただ私を無視して、
私がおしゃべりしていた人にばかり話しかけていただけだ。



私が勝手に、
その人の行動によって傷ついただけだ。

なぜ、私は傷ついたんだろう?


その人と私は挨拶(あいさつ)もしていないかったから、
自分がのけ者にされたような気持ちになり、
私はいやな気分になっただけだ。

そして今は、同じような気持ちをまた味わうのはいやだと思っている。
顔は知っていても、挨拶もしないような間柄でいる人が近くにいるのがいやだと思っている。



だけど私自身も、相手に聞こえるような大声で自分から挨拶したわけじゃないものね。

でもだからといって、今度は自分から挨拶をしようなんて、頑張らなくてもいいんだよ。


やりたくないことは、やらなくてもいいんだよ。




本当は、彼女と友だちになりたかった。

目鼻立ちがくっきりと可愛い彼女は、天真爛漫そうで、明るい印象を私に与えたからだ。


でも、向こうはわたしとお友達になりたいと思わなかったみたい。
残念。


だから、私は傷ついたんだよね。




自分が傷ついたということを自分で理解できれば、それでオッケーだ。

彼女が、私を傷つけたのではないということ。
自分の問題を誰かのせいにしなければ、それでオッケーだ。


自分が傷ついた理由さえ自分で納得できれば、友達になれなくても、それだけで心が落ち着ける。




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