心の奥底から湧き上がってきた言葉で、自分を見つめよう
紫色の場所
ひまわりちほりん
「あんたたち、やっぱり間違っているわよ」
私は思わず叫びたい衝動にかられた。
自分の欲望を否定するっていうことは、本当はとってもみっともないことなんだよ。
そのために得られるちっぽけな平安が何だって言うの。
林真理子著「紫色の場所」(角川文庫)より。
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何かいやだなと思うことがあっても、
友人を嫌いになるわけではない。
だけど、そのようにされるのはいやだ、こういう状況は好きではない、という感情がわくことがある。
しかし、私はその場ですぐに言えない。
我慢してしまう。
私が何も不満をもらさずにいれば、
私が心ではいやだなと思っても顔でニコニコしていれば、
誰も傷つかなくてすむのだ。
誰もいやな思いをしなくてすむのだ。
そう思って、いやな思いを口にすること、
いやだなという気持ちを、自分にいやだよねと確認することをしない。
そうして後で一人になってから、
やっぱり私は傷ついていた!
こんなにも、いやでたまらなかったんだ!
と気がつく。
そして帰宅してから、遊び散らかしたものを片付けない我が子に怒鳴って八つ当たりしている。
友人が我が家に泊まり、
私の子どもたちが寝た後、お酒を飲みながらおしゃべりした。
そろそろ寝ようと私が言ったら、
友人は車にちょっと行って来ると言って出て行った。
しかしなかなか帰ってこないので玄関を開けると、
玄関前の友人の車はもぬけの殻。
どこかに、散歩に出かけたようだ。
どこに行ったんだろう?
こんな夜中の2時に大丈夫だろうか?
まあ、おとなだから大丈夫かな?
だけどいつ帰ってくるかわからないから、
玄関の鍵を開けっ放しにしなければならない。
母子家庭だというのに、物騒で迷惑なことだな。
それに、小さく電気もつけておいてあげなくちゃ。
でも、電気代ももったいないなあ。
一言、散歩に行くと言ってから、
出かけてくれればいいものを。
眠いのに、友人がまだ帰らないので心配で寝つけない。
結局、一時間後くらいに外を確かめたら、
友人が運転席に座って、
車のドアを開けたまま眠りほうけていた!
まったくもう!
私が心配していたというのに、
こんなところで酔っ払って眠ってしまって!
揺さぶって起こすが、起きない。
友人を一人では布団まで運べないので、敷いておいた布団からかけ布団を運んで、風邪を引かないようにと布団をかけ、そのまま運転席に寝かせておいた。
翌日、目覚めた友人は、午前中用事があるので、急いで支度をすると帰宅していった。
私は昨夜の文句を言わないまま、見送ってしまった。
しかし胸の中では、友人を心配していた私がいたことを、友人に知ってほしいという思いがあふれ出そう。
時間がたてば消えるかと思ったけれど、誘拐されないかと心配したこと、眠いのに眠れずに何度も玄関の外を見たことなどがぐるぐるまわって、忘れられない。
結局、2日後に友人に電話して、
自分の思いを話した。
友人は、自分の行動にびっくりしていたが、
「その場で言ってね」
と私に言った。
そうだ。
その場では言えない私だけど、
数日後に勇気を振り絞って伝えられるようになった。
今度は、その場で言う練習をしなくちゃ。
いやだなと思ったら、
まず自分に「こんなこと、いやだよね?」と確認しよう。
そして、伝えるのだ。
あなたを嫌いになったわけじゃない。
だけど、こういう状況は私は好きではないのだ、と。
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