自分でさぱりメント

納涼☆浴衣デート

きりん@向日葵

「先日、浴衣姿の彼女を連れて夏祭りに出かけてきました」というメール
を送ってくださったのは、HN竜神さん。

今回は、竜神さんのお便りを元に、お話を作っていきます♪

待ち合わせの時刻は、とうに過ぎている。

日がだいぶ落ちた空を見上げながら、僕はふぅ、とため息をつく。


美穂のヤツ、今日も遅刻かよ!


足元の石を蹴ろうとしたが、履きなれない下駄のせいでバランスを崩し、
地面を思いっきり空振りしてしまう。


雑貨屋のショーウィンドウに映った甚平姿の自分を見て、はっと我に返る。

そうか・・・今日は特別な日なんだっけ。

「お待たせ~!」

振り返ると、薄桃色に朝顔柄の浴衣を着た、日本美人が立っている。

へッ?誰???思わず、目をしばしばさせていると・・・


「ねぇ!聞こえてるの?」


紛れもない、美穂の声だ。


「見違えちゃったよ!すっげぇ、きれい!!」

「・・・やあね。もう。」


どちらからともなく手をつなぐと、いつもよりゆっくりとしたペースで
歩き始めた。


「わぁ、りんご飴売ってる~♪懐かし~い!!」


「ヨーヨー、欲しいな~♪」


美穂ってこんなに無邪気だったっけ?
りんご飴が懐かしいとか、ヨーヨーが好きだとか、初めて聞いたぞ?


「わ、プラモデル売ってる♪今じゃこんなのがあるの~?すっげ~!」


・・・ま、僕も同じようなもんか(笑)

美穂がクスクス笑っている。


「足、痛くない?」

「トイレ、大丈夫?」

美穂を気遣う言葉も、自然と出てくる。

いつもと違う格好は、普段は言えない言葉も素直に言えるようになる魔法
をくれるんだ。


祭りの終わり。

花火が空に打ち上げられた。


「た~まや~!」


声を揃えて叫んだ。

美穂の横顔が、すごく愛しかった。


いつも、イライラしてばかりでごめんな。

気遣いが足りなくて、ごめんな。

こんな僕の側にいつもいてくれて、ありがとう。


花火ではなく美穂のほうばかりを見ている僕。

それに気づいた美穂は、そっと微笑みながらうなづいた。




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