みんなのOUCHI

星を見ていた。

やまぎし・のら

20歳の頃、私は星を見上げていた。

場所は小樽で、

見ていたのはプラネタリウムだった。

小高い丘を、間違いながら歩き続けて、
ヘトヘトになって、やっといつもそこにたどり着いた。

かなり古い建物で、人もまばらで、
ああいうのを「寂れている」っていうのかな?

おじいちゃんと孫っていう組み合わせがちらほら。

今じゃない空気が流れていて、
私はそこに行くと、いつもホッとした。

もともと私は整然とした札幌より、曇り空の小樽が好きだったのよね。

あの頃はね・・・。

多分3度は、
そのプラネタリウムを訪れた。

最初は、学校の友達が、小樽の観光として案内してくれた。
そうそう、昔の話だけど、私札幌の学校にいたのよね。

何か、あの場所好きだったな。


椅子に座って、あたりが暗くなって天を仰ぐの。
暗闇はどこまでも続いていて、
そこに星がパッと輝くの。

ギリシャ神話の説明なんかあったな。
あんまり聞いてなかったけどね。

でも、人気のないプラネタリウムのそんなアナウンスも、
静かにやさしく私を包んでくれたし・・・。

疲れていたのかな?

疲れていたんだよね。

20歳の私はー。


私が誰で、
私が何者で、
何がしたくて、
どこに行くのか?

答えがさっぱりわからなかった。


そのくせ、


何もできなくて、
うまくいかなくて、
「夢」っていう夢もなくてね。


でも、


希望だけは欲しかった。
あきらめたくはなかったー。

それだけは、今も一緒かも(笑)


あの時は何も、本当になかったなー。
本当に、なんにもなかった。

今思い出したけど、

卒業して5年してから、一度行ったのが最後かな?


あの時、
星空を見上げながら思ったんだよね。

次、この空見るとき
私はどうなっているんだろうって。

結婚しているのかな?
子供がいたりするのかな?
何か手にしているのかなって。

それとも今のまま、
「ひとり」の私なのかな・・・って。


それはすごく憶えてる。


もし子供がいたら、
いつかみんなでこの空見上げたいなって思ったのも覚えてる。

今、私どう?
ちょっと自問自答してみる。


家族いるんだよね。

いて、よかったね。


「よかったね。」


その頃の自分に言ってみる。
超生意気な家族だけどね・・・。

今度、一緒に行かなきゃね。

ありがとね。
あの頃の私へ。


ありがとね。
がんばって、
負けないでくれてありがとね。

ほんとありがとね。


ゆっくりやっていこうね。
これからもよろしく・・・。 なんてね。

cover

生意気な家族は、

あの星空に何を見るんだろう?




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