心の奥底から湧き上がってきた言葉で、自分を見つめよう

下妻物語

ひまわりちほりん

「少しは借りを返せたかな」
「全額返済して貰ったよ。利子付きだったよ」

「そっか」
「だからね、有り難うの気持ちを形にしたいの」

「形に?」

嶽本野ばら著「下妻(しもつま)物語」(小学館文庫)より。

cover


娘が幼稚園を卒業した。

私は泣かないだろうと思っていたのに、
卒園児入場の最初から涙が出てしまった。

保護者は幼稚園児と同じ子ども用の小さな椅子に座っているので、
普段立ったまま子どもに接しているときとは違う目線で子どもたちを眺めた。


小さな体に、
大人と同じく手があり胸があり顔がついている。

体は小さいけれど、
大人と同じ、誰もが持つ平等の1個の命を宿していて、
その生命力あふれる輝きに圧倒された。

1組、2組、3組と続いて入場してくると、
見知った子どもたちの顔がたくさんあった。

その中には、
勝手にこっそりと評価をつけていた子どもたちがいた。


太った子どもはそのお母さんも太っているのねとバカにして見たり、
かわいい子はお母さんもおしゃれなのねとねたんだり、
あの子のお母さんは無愛想だから、子どももいやだなと思ったり。


だけどね、
卒園式ではどの子も、
お母さん方が苦心して用意したスーツやワンピースの礼服を着て、
ドキドキしたり顔を赤らめたりしながら、
先生の後について入場してきた。

それを見たら、
自信にあふれた子も緊張している子もね、
どの子も一人一人抱きしめたいくらいいとおしく思えたの。

太っているからって、バカにしなければよかった。
外車に乗っている子だからって、ねたまなければよかった。

どんな子でも、与えられた体や能力で一生懸命生きている。
どの親も、毎日精一杯生きている。


それをただ外側から見ただけで、
自分と比較してバカにしたり嫉妬したり、
優越感にひたったり卑屈になったり・・・。


どの子もどんな人間も、尊重したい。
そして自分自身も大事にして、大切に守りたい。

人間の心はコロコロ変わるから意地悪したりされたりとか、
悲しくなったり大盤振る舞いしたりもするけれど、
苦しいときも元気なときも、誰もが本当は精一杯生きている。


だからどんな時のどんな人でも、バカにはできない。

たった一瞬の気のゆるみを見て責めたり自分を否定したりせず、
もっと長い目で他人も自分もみてみたい。

他人も自分もどの人もいとおしく、美しく思えた卒園式だった。




←戻る|| 星を見ていた。(やまぎし・のら)             

             (キムキム)笑顔のいい人 ||次へ→

▲ページのトップに戻る

直感力や記憶力、集中力がアップする奇跡の思考ツール
今話題の「マインドマップ」とは?



マインドマップ セミナー


マインドマップの書き方


毎朝1分★天才のヒント



天才のヒント

※当ページの無断転載はご遠慮ください。
© 2005 100人のこころ all rights reserved.