心の奥底から湧き上がってきた言葉で、自分を見つめよう
不良少年の夢
ひまわりちほりん
ぱさぱさに乾(かわ)いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠(おこた)っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
(中略)
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
茨城のりこ「自分の感受性くらい」
義家弘介(ひろゆき)著「不良少年の夢」より

シングル・ペアレントとして、
稼ぐことと料理すること、掃除すること、子どもと遊ぶことを
両立することに疲れた。
子ども時代から不幸だったけれど、
自殺を考えたことはなかった。
でも最近、
死んだら楽になるだろうなと思う。
もちろん自殺は全く考えていないし、
それに死んでも今の自分の状態から再スタートだから、
死んだから楽になるというのが嘘というのもわかっている。
ただ、現実から目をそむけたいという気持ちが、
永遠の眠り=死を想像しただけだ。
そんなふうに落ち込んでいたが、
子どもたちが父親の家に泊まりに出かけた翌日、
知人から誘われた講演会に出かける用事があった。
出かけるのもめんどうだったが、
重い腰をあげた。
そして出かけるついでに、
娘の小学校入学でいただいたお祝いのお返しを買いに、
まずショッピングセンターに立ち寄った。
春らしい薄い生地でできた服や、
真っ白なジャケットとスカートの組み合わせのショーウィンドゥが、
私の目に飛び込んできた。
またジーンズのスカートに綿のフリルのついたものをはいて彼氏と歩く女性、
お母さんと一緒に買物に来たブーツ姿の女の子。
ああ、おしゃれするっていいなと、
幸せな雰囲気が私を包んだ。
落ち込んでいるときこそ外に出るって、
気分転換になっていいなあと実感した。
そして講演会。
3歳で両親の離婚、
預けられた親戚での差別、
母親の病死、
一緒に暮らした父親からの暴力、
そして父親の蒸発。
学校給食しか食べるものがなく、
食べ物の万引きを繰り返しながら、
「僕はこんなことをするために生まれてきたんじゃない」
と、映像監督への夢を切り開いていった人の動物実験に関する話だった。
講演会終了後、私はたずねた。
「両親がいなかったのに、
どうやって自分の夢をかなえたのですか?」
「会いたい人に会いに行ったり、やりたいことをやった」
という答えだった。
苦しいのは自分だけじゃないことに今さらながら気づき、
恥ずかしい自分だった。
家でひとりで落ち込んでいたら、感情に流されるだけだ。
でも外に出れば、
本をめくれば、
新しい情報や知識が自分に入り込み、
ネガティブな感情に翻弄されるだけな「無知な自分」を救ってくれる。
「無知」なままでいてはいけない。
そう思った。
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