みんなのOUCHI

たとえば・・・

やまぎし・のら

あのとき、

私はアナタの変化を確かに感じていた。

あのとき、

あなたはとても華奢で弱々しく見えた。


たとえば、あのとき
あなたの変化を思い過ごしと思わなければ・・・。


たとえば、あのとき
私が何かできていたら、

アナタの人生はまだ続いていただろうか?


その日の夕方、私は車を走らせて
姉の家へ向かっていた。

バイパスを左に下りるいつものコース。

でも何故か、その日はウインカーに手がいかなかった。
左に下りずに、真っ直ぐとアクセルを踏んだ。

「あれ?」

自分でも不思議だった。
アナタの家には、もう何度も行ったけど、
予告もせずに、それまで行った事なかったもんね。

でもその日
何故か、いかなければ・・・行ったほうがいいと思ったんだ。

説明はつかないけれどそう思った。

アナタはいつも、息子とよく遊んでくれた。
まだ子どももいないのに、本当によく遊んでくれた。
私以上に、息子はアナタの友達だった。

アナタは子どもが大好きで
平気で、本気で、叱ることができるくらい、
本当に子どもを愛していたね。

アナタはエネルギーの塊で
私はアナタを好きだったけど、
電話でアナタと話していると、頭の奥がジーンとしたし、
長い時間話していると、湯あたり?を起こして、しばらく間を置きたくなった。


それでもアナタは人気者で、
アナタの周りにはいつも人がいた。
その中心でいつも笑っていた。
豪快にいつも笑っていた。

恐いものなんてないみたいで、
でも、結構、小心者なんだって、話してくれてうれしかったな。


アナタは人にやさしかった。
本当にやさしかった。
こんなにおせっかいな人見たことないくらい、
いろんなこと首つっこんで、
かき混ぜながら、
がんばるんだよね・・・。


私がアナタに会いに行ったとき、
アナタは‘微弱’という痛みに耐えていた。
その永い戦いに体中のエネルギーを消耗していた。

私がアナタに最後に会ったとき、
とても弱々しい、華奢なアナタに出会った気がした。
それは、いつものアナタとはまるで別人で、
うまれたての子犬のようで、守らなくてはならない存在だった。

もしかしたら、
それが本当のアナタの素顔の一端?


私と息子がアナタに「バイバイ」と手を振ってから
数時間後、
アナタはこの世の中に
ひとりの尊い命を産み落とし、

そして

逝ってしまった。


それはあまりに唐突で、
それはあまりに劇的で、
それはあまりに衝撃だった。

アナタが死ぬなんて誰が想像しただろう。
アナタは100年先でも生きるだけのエネルギーを持っていたはず。

でも、

あっけなく逝ってしまったとき、
瞬間、アナタらしい・・・と感じたのは何故だろう?


みんな、
今でもアナタでつながっているよ。
アナタがいたから、
みんなちゃんと生きようとしている。

多分、これホントだよ。

アナタが逝った夏、とっても暑い夏だった。

私はあれからずっと、
    
    アナタがあの時、逝った意味
    アナタがこの世に生きた意味
         ずっと、ずーっと考え続けている。


    また、会おうね。

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