みんなのOUCHI
ほんの小さな・・・
やまぎし・のら
稲穂の絨毯が黄金色に変わってきた。
空の色も、透明感のある薄いブルーに変わってきている。
秋が近づいている。
「ああ、気持ちいい空気になってきたな」
車を運転しながら、風の変化を肌で感じた。
今年の夏は特に暑かった。
とっても暑くて、暑くて、暑さの「お休み」なんてのもなくて、
ホントビックリするぐらい暑かった。
何もしなくても、始終汗が止まらない、
そんな夏だった。
そんな夏が今までどのくらいあったか忘れたけど、
このストレートな暑さが、この燃えるような暑さが、なんかうれしかった。
そのうれしさは、今も、
皆が燃えることが出来る高校野球があったってことに似てるような気がする。
「暑さ」は、私のイメージであり象徴なのかも知れない。
昔の夏はこんなに暑くはなかった。
こんなに、しびれるような暑さではなかった。
昔はクーラーなんて無かったし、
扇風機がウィーンウィーンってまわって、
生暖かい空気をこねくり回していただけで、
ちっとも涼しくなんてなかった。だから余計に暑かった。
ハエなんてのもいて、ハエたたきをブンブン振り回して、
しとめては喜んで、でも、暑さにだれていた。
夜に耳元で、蚊の羽音が響くと、うるさくって寝られやしないし、
寝苦しさで、寝返りを何度もうち、そのたびタオルケットがはだけた。
それが、私の夏だった。
今はクーラーがあって、ハエや蚊なんてあんましいなくて、
外に出なければ夏を感じずにすむくらい季節感が乏しくなった。
そして「定番」が見えなくなった。
そうだ、私は定番を求めているのかも知れない。
別に巨人が好きなわけじゃないけれど、強いままの巨人をどこかで求めているし。
年末は、レコード大賞があって、紅白があるみたいな・・・。
変わって当たり前の生活だけど、
変わらない土台に安心したいのは私だけだろうか?
昨日の夕方、息子が言った。
「紫の花を見つけたよ。ママ来て!目つぶって目つぶって来て!」
すごい発見をしたらしい彼に手を引かれ、
私は家の前まで連れていかれしゃがまされた。
「ほら、きれいでしょ!可愛いでしょ!!」

目を開けると目の前に、小さな小さな紫の花。
側溝の蓋の脇から出ている小さな草の花。
ほんと、小さいのにとてもはっきりした紅紫色で、
ちゃんと自己主張している。
「ほんとだ、とってもキレイだね~よく見つけたね」
多分、私はこの花が枯れるまで気づかなかったろう。
多分、きっと、そこに花があることさえ知らずに過ごしていたに違いない。
6歳の息子は、小さい花の発信する輝きをキャッチした。
やっぱ、私は大人になったんだなー。
私の定番は私の定番。
それがないから、今の子は可哀想だと言い切れるかどうか?
もしかしたら、感じる心があるかどうかが肝心なのかもしれない。
私は今、ちゃんとキャッチ出来ているんだろうか?
夏が終わって秋になる。
子どもたちは、また新しい定番を見つけに行く。
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