苺とチョコレートとハッピー
生きるということ
さつま 雨らら
私は21歳
母親からすれば
まだ子供で
祖母から見れば
赤ちゃんのままの私
日本から
遠く離れた場所で
未婚で子供もなく
身震いするほどの
自由と可能性をもった
女の子を
彼らは
どんなキモチで見ているのだろう
18歳で結婚した祖母は
若いうちに落ち着くなと言う
私を追い立てるかのように
小さな街から追い出す
その真剣な顔の向こうに
彼女の
後悔や
口惜しさや
もどかしさなどが
見え隠れする
子を持つ母親が
孫を持つ老婆が
願うことは
自分の人生の痛みを除いた
理想の道を
幸せな道を
歩ませることだろう
歳をとることで
実感する
人生のはかなさが
焦りになり
墓場に向かうまでの
あまりにも
短すぎる時間を
のろい
生への欲求が
怒りにも似た
匂いになり
それでいて
もういいかと
諦めることが出来ず
ガンになっても
目が見えなくなっても
生きたいと願い
その思いは
次の世代の命へ
受け継がれていく
私の命は
祖母の母親が
願ったように
私の母親が父親が
全ての血を賭けて
永遠につづくようにと
望むから
今日も動いている
そして
遠く昔
お屋敷で一生を過ごした
誰かの
生への強い欲求が
今を生きる
私にも流れているだろう
間違っても
私は死ねない
気が狂っても
私は死にたくない
どっちにしろ
永遠の命ではないのだから
死への恐怖と
戦いながら
生きていくのが
一番いいのだ
3人の幼い命を
酒に酔い
終わらせた
一人の職員は
巨大な
生への欲求を
欲求の連鎖を
3人分も
背負ってしまった
ただでさえ
自分の命を生かすことは
難しく、はかない
それでも
彼は死んではいけない
私たちは死んではいけない
生きるということは
そういうことだ
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