みんなのOUCHI

見える角度

やまぎし・のら

キュウイフルーツの一個の半分が給食に出て、
休んだ子が多かったのか、たくさん余ったんだって。

だから、「おかわりが欲しい」って、
何人か前に出て、
その中にもちろんにいやんもいて・・・。

先生が言ったんだって。
「みんな一個づつね」って。

それでみんな、一切れづつもらっていったって。
一個の半分づつ。

にいやん、
どうしたと思う?

「半分と半分あわせて一個だ!」
ってちゃっかり一個持っていったんだって。

で、
「ずるい!」
って、他の子に非難されていたんだとか。


そんな話を個人懇談で聞きながら、
顔がだんだん熱くなる私。

おいおい、それ得意のヘリクツじゃん。
学校でもやっていようとは・・・。


「でね、」
先生の話には、まだ続きがあるらしい。

「私、様子見てたんです。
大勢が非難しているわけじゃなくって、一人の子がそう言って非難してたんで。一対一だから、口ださ
なかったの。

そしたらね、彼、言われても、堂々と席までキュウイフルーツ一個分持っていって、堂々と食べきった
んですよ」

「はぁ」

「強い、強いな~って思いましてね」

「はぁ・・・あ?」

「いや~、あそこまで言われてね、シュンとなったりこそこそしたりしがちなのに、堂々と食べきった
んですよ。すごいですよ」

どうやら、褒められたらしい。

この先生は、にいやんにとても寛大で、
とても肯定的に見てくれている。
それもかなりの勢いで。


「ありがたいな~」

そう思いながら、
どうも椅子に座ったお尻がムズムズ忙しい。


だって、

そんな肯定的な言葉、
小学校に上がる前、一度も聞いたことなかったから。

「とても頑固ですよね~」はいつものことで、
「落ち着きがない」から始まって、
様々、様々・・・忘れちゃったけど。

で、結局、
「おうちでは、どの様な感じで接してられるんですか?」
私にお鉢が回ってくる。
「たくさんお話がしたくって、お会いする順番を最後にさせていただいたんですよ~」
などとニッコリ微笑まれる。
保育園で、そんなに長く話しているのうちくらいよ。

ハイハイ、私が悪うございました。
って、帰宅すると非常に気分が悪くなる。

そんなだったな~って。


だから、個人面談ってどうもトラウマ。

どんなに褒められても、
どんなに上げられても、

上げられれば上げられるほど、

どこだ?
どこに落ちがあるんだ?
どこで落とされるんだ?
って返って不安になる始末。

それで、お尻が落ち着かない。


でも、さっきのキュウイフルーツだって、
見方変えたら「頑固ですよね~」で終わる話。

そう思うと、
「にいやん変わってないじゃん!」って落ちになる。


今、褒められるにいやんは、
眉を顰められていたにいやんと何が違うのか?

小学生になり、やはりちょっとは大人になったけど、
大騒ぎはしなくなったけど、
性質はそれほど変わるわけじゃない。


何が変わったんだろう?

それは、多分見方。

見る角度、見える角度なんじゃないかと思ったりする。


彼の目立った特長は、
短所と呼ばれることも多い。

でも、
それを長所と捉えることもできる。

長所は短所で、短所は長所。
よく言われる言葉だけど、
どうやらそれは本当らしい。


たまたま今年の先生の目は、
にいやんのそれを長所と捉え、
プラスプラスの目を向けてくれている。

でも、
来年の先生の目に、
「にいやん」が同じに映るとは限らない。


って、
毎年くじ引きみたいだな~

・・・なんて。

また新しい年が始まる。
来年はどんな一年になるのやら。


どんな一年になったとしても、

どんなに周りの目線が変わっても、


「この子はいいこだ!」

たぶん、
親は、そう言い続ければ良いんだ。

私は、
そう言い続ける親でいたいな~。
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