みんなのOUCHI

お茶碗

うちのら

この間、
お茶碗が割れた。


私と夫とにいやんとモモのお茶碗。
二つが大きくて
二つが小さいの。

安かったから、
ちょっと可愛かったから、
新しく買ってみた。

4ッつが積み重なってセロテープでとめてあった。

結構乱暴な包装?だな~と買うときちょっと思ったけど、
急いでいたからまあいいかってそのまま持って帰ってきた。

それで、帰宅してすぐバラせばいいものを、
そのまましばらく、
キッチンの細いカウンターに上げて置いた。
その時点で、完全に私に非がある。


「ガシャーン!!」
     お茶碗落下。


当然の結果。

あっけないね、セトモノって。
モモの手が当たって、急降下。

「あ~あ~・・・モモー!!」
って怒ってみても、どう考えても置いた私が悪い。


「全滅だ~買ったばっかりなのに・・・」
だって、1メートル以上も上から落ちたんだから・・・。


しょぼん。
あ~あ~・・・。

しょうがない。
嘆いていたって、元に戻るわけじゃなし。
現場検証を兼ね、片付け開始!


しぶしぶ、
無残な残骸を拾い上げる。


「え?」

「え?何?マジ??」
      

私は、思わず目を疑った。


割れてない・・・。

何と

茶碗は割れてなかった。


もちろん、

大振りな夫のものも、私のものも割れていた。

夫の何てもうバラバラ。
見る影なんてありゃしない。
これって何だったっけ?

ホント、そんな感じ。


それがどう?

にいやんとモモのは

ちゃんとある。

ちゃんと小ぶりのお茶碗のまま、
キレイなまま、
傷一つなく、
ちゃんと二つ重なっている。

重なったまま、輝いている。


その周りを、
大きく割れた私の破片が覆っていて、

私の周りには、
ぐちゃぐちゃの夫の細かい破片がくっ付いていた。

突然、

「あ、そういうことなんだ。」

         そう思った。

「そういうことなんだ。」

        何かが響いた。


うまく説明できないけれど、

 お腹に「ドン!」って、

何かがぶつかって入ってきた。


「家族って」

「親子って」

「人って」

案外、
こんな風に出来ているのかも知れない。


「お前のことを思っているんだぞ!!」
        そう大上段に言われても、


恩着せがましく聞こえるだけで、
ちっとも心に響いてこない。


でも、
破片の中から
こんなチープな、
こんな小ちゃな茶椀を見つけただけで、

心に届くこともある。


今、目の前で見てること。
今、目の前であったこと。


それは、
お茶碗が割れたこと。
ただ、それだけのこと。

それだけのこと。


でもそれは、
  きっと、

大事なことを秘めている。
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