みんなのOUCHI
神様のオシッコ
うちのら
梅雨になってね、
雨が降ってね、
先日新しくした窓ガラスに付く水滴。
それ見て、にいやん
「神様のオシッコだねー」って。
「神様の涙かな~」って。
「もれちゃうもれちゃってオシッコしたのかな~」って。
ああ、この子は、
7歳だけど、何だか乱暴だけど、泥だらけでバッチイけど、
でも、
ちゃんとまだ純粋な子どもなんだよな~って、
当たり前のことに「ハッ」とした。
純粋に子どもを見て触って、
他の家の子どもでも、普遍的に無条件で可愛いのは3歳まで。
もともと子どもが大好きで!!っていうなら話は別。
3歳ってホントに可愛い。
3歳までは、何か世間に許される。
厄介なのは4歳から。
赤ちゃんっていう魔法のかかった宝石から、
人間っていう現実的な生き物に劇的に変化する。
世間の目も徐々に徐々に厳しくなる。
だからね~にいやんの、
超人的な、
興味津々な、
意志強靭な、
元気いっぱいの、
エネルギー満タンの、
一気に常識の枠を越えてしまう勢いに疲れてしまうの。
「疲れ」というか、「恐れ」かな?
常識の枠に縛られた私は、
「次はどうなるの?」
「何をする気だ??」
「どうしてそっちに行く!!」
「決まりを守れー!!!」
一緒にいると心臓の休まる暇はない。
もっと私の感性が緩やかなら、
もっと変化を喜んで、
もっと変化を楽しんで、
もっとはしゃいでいられたに違いない。
ワンダフル!と叫んでいたかも知れない。
でも、残念かなそうじゃないから困ってしまう。
「そんなことしたら、よくないよ~」
「そんなことしたら、大変なことになる」
「そんなことしたら、どう思われるか・・・」
「そんなことしたら・・・・・・・・・・・」
そんなことに怯えてる。
そんなことで、喧嘩ばかりしている。
ささいなことで、注意ばかりしちゃってる。
だから、
何か避けたいと思ってる。
多分、きっと
避けている。
そんな場面を見たくない。
そんな場面を避けたいと思ってる。
「ママ遊ぼー」
「ママ遊んで!」
「ママこっち来て!!」
下のモモの世話が忙しいのもある。
でもそれだけじゃない。
夕飯作ったり、
洗濯したり、掃除したり。
そんなことで、
にいやんの声をかき消してはいなかったかどうか。
多分私は、にいやんが好き。
本当に大好き。
でも、
私の小さな心臓が
いつもドキドキしてる。
もっと穏やかでいたいと思ってる。
この間、家族で日帰りの大衆温泉へ行った。
にいやんは喜んでモモに言った。
「モモ~ここいいんだぜ、
俺、ママと一緒に入れるんだよ!」
「えー?にいやんはもうだめでしょ」
私はとっさに言っていた。
「そんなことないよ。10歳まではいいんでしょ?」
ってにいやん。
「えーでも、だってもうにいやん大きいし・・・」
私は、女湯で大人しく振舞えないにいやんを想像して、
憂鬱になった。もっとゆっくりしたいと思った。
「ふ~ん」
ってにいやん。
結局、にいやんは男湯に入って、
モモも女湯に入ってから、最後に男湯に混ぜてもらった。
それはそれで楽しかったみたい。
何かな~って。
帰りの車の中で、何かな~って悲しくなってきた。
何かな~って自分が空しくなってきた。
「入りたい」という子どもがいて、
まだ入れる年齢で、
でも人目を気にする自分がいて、
どうなんだろうと思う自分がいて。
そしてもうあまりないチャンスだったのに・・・って。
でもどうかな~って。
私の子どもを愛する気持ちに偽りはない。
私は確かに子どもを愛している。
多分それは子どもにも伝わっている。
でも、
わたしの小さな心臓の分
わたしの小さな常識の分
にいやんは、「寂しい」をいっぱい抱えている。
結構凸凹で、
結構手ごわい組み合わせ
それでも、
にいやんは、私の元に生まれてきたし、
私は、にいやんの母親になれた。
かえって、それがいいのかも。
だから、生まれてきたのかも。
私の小さな小さな心臓は、
私の小さな小さな常識は、
にいやんの腕力気力で、引っ張られる。
薄く薄く徐々に徐々に延ばされる。
私の今ある常識は、
破ってしまいたい常識でもあって。
小さな心臓は、トレーニングを待っていた。
のかも・・・?
「にいやん、ママと一緒に女風呂入りたかった?」
も一度聞いてみた。
「うううん、うぜえ。きもい。だからいい」
「でもさ~ホントは入りたかった?」
更にも一度聞いてみた。
コクン、
にいやんは頷いた。
「今度もう一回、行ってみようか」
「え?」
「だって今年くらいしか入れないもんね~」
「え?いいの?」
「いいよ、いいよ」
そう言いながら、私、ちょっと恐いと思ってる。
でも、
それもいいかとも思ってる。
親子でいる意味。
親子になった意味。
それは
きっと、
オシッコの神様だけが知っている。

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